The world is an infinitely better place precisely because you weren't.
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作品紹介

動画出典:シネマトゥデイ

作品情報

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
(原題:The Imitation Game)

監督:
・Morten Tyldum(モルテン・ティルドゥム)

出演:
・Benedict Cumberbatch(ベネディクト・カンバーバッチ)
・Keira Knightley(キーラ・ナイトレイ)
・Matthew Goode(マシュー・グッド)
・Rory Kinnear(ロリー・キニア)
・Charles Dance(チャールズ・ダンス)
・Mark Strong(マーク・ストロング)

公開:
・2014年11月14日(イギリス)
・2014年11月28日(アメリカ)
・日本公開は2015年3月13日

上映時間:
・114分

あらすじ

1951年、「数学者のアラン・チューリングの家に空き巣が入った」との通報を受け、ノック刑事はチューリング宅を訪れた。

警官らを邪険に扱い、協力を拒むチューリングに違和感を感じたノック刑事は、チューリングの個人情報が機密になっている事を知り、疑念を募らせる。

身辺調査の結果、怪しい情報が次々と露見し、チューリングはソ連のスパイ容疑と男色の罪で連行されてしまう。

チューリングの正体に興味を持ち、直接尋問を願い出たノック刑事は目の前の数学者が戦時中に何をしてきたかを聞かされることに。

事の真相を伺うノック刑事にはその重大さに判断を下すことはできなかった…。

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レビュー

感想

Alan Mathieson Turing(アラン・マシスン・チューリング)という実在の人物の人生を描く作品。

チューリングは第二次世界大戦中に敵国であるドイツ軍の暗号機Enigma(エニグマ)を利用した通信暗文を解読するBombe(ボンブ/作中では「クリストファー」)と呼ばれる解読機を開発し、戦争の終結を早めることに貢献した。

この研究が現代のコンピューター技術の基礎とされており、コンピューター科学における最も権威のある賞に「ACMチューリング賞」として彼の名が冠されている。

「コンピューター科学の父」「人工知能の父」と呼ばれ、『白雪姫』を真似てリンゴに青酸化合物を塗って中毒自殺をしたという説から(死因は青酸中毒死だがその方法は不明)、そのかじりかけのリンゴが今のApple社のロゴにも採用されているという噂さえ飛び交うなど死後何十年も話題になっている人物だ(この説は公式が否定しています)。

もっと詳しく
Appleのロゴマークのリンゴはなぜ一口かじられているのかという本当の理由

 

本作では天才的な頭脳を持ち、人格的にはやや破綻しており、当時は法的に禁じられていたホモセクシュアルであったチューリングのマイノリティーとしての人権と、その多大なる功績との明暗が描かれている。

チューリング役を演じたカンバーバッチが上手くハマっている。

シャーロック・ホームズといい、Dr.ストレンジといい、「人格的に褒められない天才役」がヒットする役者だなぁ。

ストーリーは正直に言うと綺麗にまとまりすぎて物足りない感はあるが、流石アカデミー脚本賞とっているだけあって重いテーマを扱いながらも展開は流れるようにスムーズ。

こういう伝記系の作品ってパターン化されていたり、脚色が過ぎたりしてバランスが難しいんだよねぇ。

本作は戦争モノというより、ヒューマンドラマがメインなのでサスペンスは期待しないように。

"Sometimes it's the people no one imagines anything of who do the things that no one can imagine."

「時として誰も想像できないような人物が想像できない偉業を成し遂げる。」というメッセージが何度か登場しているが、これに共感できるかどうかで本作を楽しめるかどうか分かれるかも。

"The world is an infinitely better place precisely because you weren't."

今回の記事タイトルにも採用した「あなたが普通じゃないから世界はこんなにすばらしい。」の訳が綺麗。

もっと詳しく
『チューリング ─ 情報時代のパイオニア』の翻訳を手がけた服部桂による本作の考察。
His Lifetime / Unknown Stories / Thinking Machineの3軸から迫る。

もっと作品を楽しむために

情報を制する者が戦局を有利に進めることができる。

如何に情報漏洩を防ぐか、如何に秘匿された情報を暴くかを追求して暗号術は発達した。

そもそも日本語では「暗号」と一括りにされているが、「暗号」は"code"(コード)と"cipher"(サイファー)に大きく二分される。

前者が単語の書き換えを行うのに対し、後者は一文字ずつ書き換えを行っている。

本作に登場するエニグマで作る暗号文はサイファーの方にあたる。

暗号を解読するためには、それを解くための「鍵」(ルール)が必要となり、その鍵を探す工程はまるでパズルのようだ。

(作中でもクロスワードパズルを使って人員募集してたね)

crib(クリブ)と呼ばれる既知の平文サンプル(よく登場する「IKB」は「THE」じゃないか…など)を見つけ出して解いていくのが一般的。

エニグマは原文と同じ長さの鍵を使って暗号化する「ワンタイムパッド」という技術を応用した方式を採用していた。

エニグマの仕組みについて詳しく知りたい人は以下の動画を。

動画出典:The Telegraph

 

このエニグマ解読により、戦争終結は2年以上早まり、1,400万人以上もの命が救われたという。

更に作中では描かれなかったが、当時ドイツと連合を組んでいた日本も「暗号機B型(パープル暗号)」や「暗号機A型(レッド暗号)」と呼ばれる暗号を使用していたが、これは原理が見破られてアメリカに筒抜け。

ドイツがエニグマの改良版”Lorenz SZ40/42"(ローレンツ)を開発するもColossus(コロッサス)と呼ばれる電子計算機によって破られるなど、情報戦は苛烈を極めた。

そしてこのコロッサスを第一世代のコンピューターとして、現在の我々の生活に欠かせないツールへと進化を辿っていく。

戦争によって技術の飛躍的な革新が起こるのは歴史が物語っているけれど、今の生活も過去の大いなる犠牲の上に成り立っていると考えるとちょっと複雑な気持ちになっちゃうね。

もっと詳しく
暗号の歴史 STAGE4 第二次世界大戦
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