【アニメ】機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
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作品紹介

動画出典:BandaiChannel

JACK
僕にとって初めてのガンダム作品。これを機に一作目から観るか…

作品情報

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争

監督:
・高山文彦

制作:
・サンライズ

声の出演:
・浪川大輔(アルフレッド・イズルハ)
・辻谷耕史(バーナード・ワイズマン)
・林原めぐみ(クリスチーナ・マッケンジー)

発表期間:
・1989年3月23日~8月24日(VHS発売/OVA)

エピソード数:
・全6話

あらすじ

宇宙世紀0079年、ジオン公国と地球連邦の中立コロニー「サイド6」が舞台。

コロニーの外では未だ両陣営による戦争が続いていたが、サイド6は平和そのもので、主人公のアルフレッド・イズルハ(アル)は小学校の同級生らと戦争ごっこで遊ぶ日々を過ごしていた。

ある日、同級生の女の子ドロシーの「連邦軍にはモビルスーツはない」という発言に躍起になって「見たことある」と返してしまったアルは、カムコーダー(ビデオカメラ)を手に運送業で働く別居中の父親のつてを利用して宇宙港に潜入する。

結局、連邦軍のモビルスーツを撮影することはできずじまいだったが、授業中にジオン軍、ついで連邦軍のモビルスーツがコロニー内に侵入してきたことで、連邦軍にもモビルスーツがあったことが明らかになる。

校舎すれすれに飛ぶ手負いのジオン軍のモビルスーツ「ザク」を間近で見たアルは好奇心から授業を抜け出し、ザクの墜落した現場へと足を運ぶ。

夢中で本物のモビルスーツを撮影するアルであったが、その操縦士バーナード・ワイズマン(バーニィ)は未だ生きており、アルのカムコーダーを取り上げようとする。

ジオン軍のバッジを交換条件としてバーニィに引き渡されたカムコーダーのテープには、ジオン軍の特殊部隊「サイクロプス隊」が追う連邦軍の新型モビルスーツ「RX78(ガンダム)NT-1」(通称:アレックス)の部品を入れたコンテナが写り込んでおり、バーニィはその証拠を持ち帰ったことを理由にサイクロプス隊の一員になるよう任命される。

サイド6内にガンダムがいると断定し、ガンダム奪取作戦遂行を命じられたサイクロプス隊はサイド6に潜入するが、作戦遂行中のバーニィがアルに偶然見つかってしまい、アルは好奇心から積極的に戦争に関わっていくことになっていくのだが…

レビュー

感想

僕はこれまで『機動戦士ガンダム』シリーズは全く観たことがなかったのですが、「ガンダム観たいけどタイトル多いし、スピンオフとかパラレルワールドとかあってどうしたらいいかわかんないよ」と友人に相談したところ、「君はこれから観るのがよかろう」と渡されたBlu-Rayにて鑑賞。

ガンダム世界の専門用語とかがわかりづらいんだよなぁ、と敬遠していた人にこそ見て欲しい作品。

「A国とB国が戦争する時代、戦争ごっこで兵士に憧れていた中立国の男の子が主人公で、主人公には両軍に親しい知り合いがいる。その知り合い同士は異性として意識し合っているが、お互いの任務を知らない。」とするともう立派な戦争映画であるし、実際ガンダム周辺情報がなくても十分成立する。

 

人間って、カンタンに死んじゃうんだね。

ポケットの中の戦争

このセリフを子供に言わせるところですよ。

ごっこ遊びじゃないんだよね。

このセリフを聞いてからが真骨頂。

作品の一番の見所は第6話「ポケットの中の戦争」の後半、この投稿の冒頭にある動画のシーンから始まる十数分。

不利を承知で決死の戦闘に挑むバーニィを止めようとするアル。

アルの必死の叫び声空しくあえなく決着がついてしまう。

戦闘が終わった時、衝撃の事実を目の当たりにしてアルは初めて戦争の本当の恐ろしさを知るんだけど、その事実を知るのはアル(=観客)だけ、という状況が生まれる。

登場人物の誰も知らない。

そして知らないが故に「また戦争はすぐ起こるから(また戦争ごっこして遊ぼうぜ、元気出せよ)」とアルを元気づけようとする同級生の気遣いが純粋でいてひどく残酷だ。

この作品では多くの対比構造が見て取れるが、特に美しかったのがここだった。

《一人だけ大人になってしまった少年》と《無邪気で何も知らない同級生》。

少年の成長物語としても楽しめる本作、「戦争は遊びじゃない、重みを知れ」と言外に観客(おそらくはガンダム作品に慣れ親しんだファン)に突き付けられるメッセージと共に味わってもらいたい。

JACK
マジで戦争映画だった。なめてた。

もっと作品を楽しむために

小説版があることを別の友人から教えられ、結城恭介『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』を購入。

著者はOVAで構成を担当しており、内容は基本的には本編に忠実。

最終2ページに本編では描かれていない付け足しがあるのだが、これがなかなか粋な計らいなので、映像作品を観て心を揺さぶられた人にこそ読んで欲しい。

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