作品紹介
動画出典:ワーナー ブラザース 公式チャンネル
作品情報
レディ・プレイヤー1
(原題:Ready Player One)
監督:
・Steven Spielberg(スティーヴン・スピルバーグ)
出演:
・Tye Sheridan(タイ・シェリダン)
・Olivia Cooke(オリヴィア・クック)
・Ben Mendelsohn(ベン・メンデルソーン)
・T.J. Miller(T・J・ミラー)
・Simon Pegg(サイモン・ペグ)
・Mark Rylance(マーク・ライランス)
公開:
・2018年3月29日(アメリカ)
・日本公開は2018年4月20日
上映時間:
・140分
あらすじ
環境汚染や気候変動、政治の機能不全により荒廃した2045年。
スラム街と化した都市での生活を余儀なくされた人類の多くは、「OASIS(オアシス)」と呼ばれるVR世界に現実逃避し入り浸っていた。
オアシス内では5年前から、創始者のジェームズ・ハリデーの遺言に従ってオアシスの所有権とハリデーの遺産授与を巡る「アノラック・ゲーム」が開催されていた。
ゲーム内容はハリデーがオアシス内に隠したとされる3つの鍵を探すというシンプルな内容であったが、あまりに広大なフィールドに人々の熱狂は冷め始めていた。
オハイオ州コロンバスのスラムに住む若者ウェイド・ワッツ(アバター名【パーシヴァル】)は鍵探しに情熱を燃やす「ガンター」の一人だ。
鍵の在処はハリデーに縁のあるものだとあたりをつけ、ライバルとも親友とも言える【H】と日々鍵探しに奮闘する。
オアシスの独占を欲す世界第2位の大企業IOI社が送りこんだガンターチーム「シクサーズ」や正体不明の女ガンター【アルテミス】など鍵探しの強敵がひしめき合う中、パーシヴァルは一つ目の鍵を獲得するヒントを見つけ、再び試練に全世界が注目するようになった…。
レビュー
感想
ストーリー展開は大きな捻りもなく、大味で王道ドストレート。
「はいはい、こういう感じね。わかるわかる。」なんて気軽に構えてたらまさかの号泣。
エンドロール終わってもしばらく立ち上がれなかったし、映画館の帰り道に「面白かったねぇ」という妻に「10分くらい話しかけないでくれ…」と泣きながら返事するとは思わなかった。
多分同じ劇場で観ていた人は「あいつなんで泣いてんの」と思っただろう。
自分でも意味が分からん。
ちなみにCMでも放送されてたからネタバレにならないと判断して載せるけど、メカゴジラ出たとこからもう駄目だった。
「俺はガンダムで行く」なんて言うこともタイミングもずいぶん前から知ってたくせに、このセリフが出たとたん涙でスクリーンが見えなくなった。
別にメカゴジラにもガンダムにもそれほど思い入れはないのに。
動画出典:シネマトゥデイ
いや、何が良かったかってね、「映画の神様が自分のために映画を作ってくれた!」という感激ですよ。
もう後半なんか、ジェームズ・ハリデーがスティーヴン・スピルバーグに、OASISがこの映画に、パーシヴァルが僕になっていたよ…。
入り込みすぎて「これスピルバーグの遺作なんじゃないか」とすら思えてきて切なくさえなったよ…。
あれはスピルバーグから、映画への、サブカルチャーへの、それを愛するオタクやギークたちへのラブレターなんですよ。
あの時の感情を思い出したくてDVD買って観直したんだけど、その時は超冷静だったので結局号泣した理由は今もわからない。
あれは映画館のかけた魔法か、初めて体験した4DXの技術のせいか、それとも音響の仕業だったのか。
ここで薦めといてなんだけど、あれは映画館で観るべき映画だったのだなぁ…。
多分僕にあの感情が再現されることはもう二度と来ないんだけど(少なくとも同じ作品では)、あの一瞬の衝撃を味わうために僕はこれからも色んな作品を探すんだろうなぁ。
1980年から約40年でこれだけ成長したサブカルチャー・ポップカルチャーのひとまずの総決算と言える。
もはやサブじゃないよね。
そのうちこの辺の知識って「教養」になるんじゃないかって本気で思っている。
映画も小説も音楽もアニメもマンガもゲームもたくさんやっておいた方がいいよ。
そういう意味ではこの映画と原作小説はいい教科書になるかもしれない。
動画出典:ワーナー ブラザース 公式チャンネル
もっと作品を楽しむために
Ernest Christy Cline(アーネスト・クリスティ・クライン)による原作小説『ゲームウォーズ』(原題:Ready Player One)を紹介しないわけにはいくまい。
「映画すごく良かった!」という人は絶対に読んだ方がいい。
主人公が学生であるという背景からスタートするので、世界観がより醸成されている。
(映画版の脚本に著者が関わっているので、大きなズレはありません。ご安心を!)
また、映画版では鍵を3本ゲットするだけだったが、原作ではその鍵を使う門を探すための謎かけもあり、マニアックな雑学も豊富だ。
著者が新日家ということもあり、映画以上に日本作品への言及があって楽しい。
映画版とはキャラクター設定も微妙に異なっており、そこを比べながら読むのも映画鑑賞後ならではの楽しみ方だ。
ギーク達の好きな作品にかける情熱の濃度は原作小説の方が高いのでオススメ。
…しかし映画ヒットした後に表紙がポスターになるのクソダサいので本当にやめてほしいんだよねぇ。