スポンサーリンク

作品紹介

作品情報

『そしてミランダを殺す』(原題:The Kind Worth Killing)

著者:Peter Swanson(ピーター・スワンソン)

翻訳:務台夏子

2018年に創元推理文庫より出版(原著は2015年、William Morrow)。

created by Rinker
¥1,188 (2018/11/16 04:05:13時点 Amazon調べ-詳細)

あらすじ

ネット・ビジネスで大成功を収めたテッドは、離陸までの時間つぶしに寄ったヒースロー空港のバーで見知らぬ美女リリーに声をかけられ、意気投合する。

酔いも回り、飛行機内のビジネスクラスで隣り合った席に座った偶然も相まって、テッドは妻のミランダが邸宅建築の出入り業者と浮気する現場を目撃したことを話し、冗談半分で「妻を殺したい」と漏らす。

話を聞いたリリーは殺人を正当化する独自の理論を展開してテッドの妻殺害への協力を申し出、もし本気なら一週間後に会おうと提案をした。

行きずりの相手との単なるゲームだと思おうとしたテッドだが、リリーとの一週間後の再会を心待ちにしている自分に気付く。

二人のミランダ殺人計画が具体化され、決行の日が近づいた時、予想外の事件が起こり……。

スポンサーリンク

レビュー

感想

Patricia Highsmith(パトリシア・ハイスミス)の『見知らぬ乗客』(原題:Strangers on a Train)へオマージュ作品。

『見知らぬ乗客』は同名でAlfred Hitchcock(アルフレッド・ヒッチコック)が映画化しているようだが、僕はどちらも未鑑賞。

こちらは「交換殺人」モノということで、展開は違うが、導入シーンが似通っているらしい。

作中冒頭でリリーが読んでいる本がパトリシア・ハイスミスの『殺意の迷宮』(原題:The Two Faces of January)なところからも、作者が彼女の作品を意識していることが伺える。

 

で、この作品「2018年必読ミステリ!」的な売られ方しているけど、普段からミステリ読みなれている人からするとちょっと拍子抜けするかも。

「どんでん返し!」「想像もつかなかった!」という売り文句を信じたけど、僕はあまり驚愕や新鮮味を感じなかった。

あれ、これって「ミステリ」というより「サスペンス」じゃないか?という感じ。

謎解き主体じゃないしな。

オマージュした作品の映画化も「サスペンス映画の神様」によるものだし。

原題"The Kind Worth Killing"も訳すと「殺すに値する種類の人々」だから、リリーの物語であることが読み始めて早い段階でわかる(なのでこの文章はネタバレではないことにする)。

なので若干期待を裏切られた感はあったが、サスペンスとして読むとこれが一転、なかなか面白い。

三部構成でそれぞれ異なる2人の視点からカットバックする展開や、リリーが如何にして殺人を是とするようになったのか、ミランダはどうなるのか、「狩る側」と「狩られる側」のせめぎ合いや逆転が鮮やかなので、ページをめくる手が止まらない。

そして何より読者である自分自身がいつの間にか悪女リリーを応援してしまっているという感覚が不思議。

悔しいなぁ、宣伝文句と先入観に邪魔された。

これから読む人のためにもう一度警告。

これはサスペンス小説だからね!

もっと作品を楽しむために

小説のあとがきにもあったが、既に映画化の話も進んでいるそう。

Amber Heard is attached to topline Chockstone Pictures and Nick Wechsler Productions’ crime thriller The Kind Worth Killing, with Agnieszka Holland at the helm. The pic is based on Peter Swanson’s 2015 novel, with Christopher Kyle adapting the screenplay.

上記引用元のDeadline Hollywood(アメリカのエンターテインメント産業を発信するオンラインマガジン)の記事によれば、Agnieszka Holland(アグニェシュカ・ホランド)が監督、Amber Heard(アンバー・ハード)の主演が決定。

歳の差結婚(23歳差!)で話題にもなったJohnny Depp(ジョニー・デップ)との離婚騒動や、大物実業家Elon Musk(イーロン・マスク)との交際・破局報道など、男性関係での報道が何かと尽きないアンバーの悪女の演技に期待。

『見知らぬ乗客』の前例もあるし、確かに映像化にはピッタリかも。

動画出典:YouTubeムービー(提供元:Warner Bros Japan)

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事