私の考えた最強の世界。
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作品紹介

作品情報

映像研には手を出すな!

作者:
・大童澄瞳

連載誌:
・月刊!スピリッツ

連載期間:
・2016年~

既刊:
・3巻

あらすじ

浅草みどり(あさくさみどり)は芝浜高校に入学し、高校の複雑怪奇な構造に興奮していた。

「私の考えた最強の世界」を描くことを夢にしており、アニメ制作をやりたい浅草だったが、一人では一歩が踏み出せない。

アニメ研究同好会の発表を見学しに行きたい浅草は、瓶牛乳を買うことを条件に、常日頃から金儲けのことを考えている金森さやか(かなもりさやか)を連れ出して視聴覚室へ向かう。

アニメ研の発表を見ている最中、二人はサングラスの男に追われるカリスマ読者モデルの水崎ツバメ(みずさきつばめ)と出会う。

男は水崎の使用人であったが、勘違いした浅草は水崎を連れ去り、コインランドリーへと逃げ込んだ。

水崎もアニメが好きでアニメーター志望であることに商機を見出した金森は、浅草と一緒にアニメを作ってはどうかと提案。

映画俳優の親からアニメ研に入るのを止められていた水崎であったが、金森の「入部がダメなら部を作ればいい」という発言に乗る形で、3人で映像研究同好会を設立することにした。

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レビュー

感想

感想の前にまずはこちらの試し読みを読んでほしい。

僕はこの第1話で「あれ、これもしかしたらすごい作品かもしれんぞ」と思ったシーンがいくつかあったんだけれど、皆どうだろうか。

吹き出しにかかったパース、金森氏のメガネの度の表現、設定の書き込みとシームレスな妄想シーンへの導入、そして最後の見開きに向かうカメラワーク。

リーダビリティが高いというか、「映像を読んでいる」感覚なんだよね。

これは面白い。

 

アニメ作りの現場を描いた作品として過去にアニメ『SHIROBAKO』のレビューを書いたけど、本作はまた違った熱量がある。

商業アニメではなく、自主製作アニメにかける青春だ。

アニメ、映像に限らず、モノづくり系の人の原点は「誰かに喜ばれたい」というより「自分でイイと思ったものをカタチにしたい」なはずなので、ベテランの人も初心に帰ることのできる作品だと思う。

この後も「如何にクオリティを上げるか」「効率化のための妥協点はどこか」といったクリエイティブ面のみならず、「どうやって認知を広げるか」「予算獲得はどうするか」などプロデュース、マネジメント面への言及もあり、今後の展開が楽しみである。

もっと作品を楽しむために

この「映像を読んでいる」感覚についてもう少し話したい。

本作の筆者、大童澄瞳(おおわらすみと)は高校生の時に映像部に所属していて、東洋美術学校絵画科卒業後、独学でアニメーションを学んでいることから、元々「映像の見せ方/映像としての見え方」が身についている人なんだよね。

だからパースのかかったコマをよくよく観察すると、例えばあおり視点(下から斜め上に向かう)のコマでは柱は微妙に下のほうが太いし、野外のシーンでは背景は奥に行くほど薄くてぼやけている。

更には被写界深度を調整するフォーカスシフトを使ったりと、コマの間の画面の変わり方が動きとして見えるんだよね。

フリーハンドで書かれてちょっとぐにゃっとしている直線もきっとわざとなんだろうなぁ、うまい。

映像の勉強している人ほど面白いと思う。

ついつい一コマ一コマじっくり見てしまう。

続巻の発刊が待ち遠しい。

※「パース」=perspectiveのこと。遠近法・透視法を用いた立体表現。

※「被写界深度」=焦点(ピント)が合っているように見える被写体側の距離の範囲のこと。

※「フォーカスシフト」=焦点が手前や奥に切り替わって、それ以外の個所がぼけて見える技法。

もっと詳しく
3巻発売記念インタビュー。
マンガのキャプチャを交えての記事なので未読でもイメージしやすい。

 

補足

大童澄瞳のtwitterアカウントフォローしているんだけれど、牛乳が何より好きなようで、「牛乳がないとワシは死ぬんじゃ!」と大体月1ペースでつぶやいているのが地味にツボ。

このツイートを見かける度に牛乳が飲みたくなる。

ちなみに本名らしい、いい名前だ。

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