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作品紹介

動画出典:Gaumont

作品情報

最強のふたり
(原題:Intouchables)

監督:
・Olivier Nakache(オリヴィエ・ナカシュ)
・Éric Toledano(エリック・トレダノ)

出演:
・François Cluzet(フランソワ・クリュゼ)
・Omar Sy(オマール・シー)
・Audrey Fleurot(オドレイ・フルーロ)

受賞:
・2011年 第24回東京国際映画祭
-東京サクラグランプリ
-主演男優賞(François Cluzet, Omar Sy)
・2012年 第37回セザール賞
-主演男優賞(Omar Sy)

公開:
・2011年11月2日(フランス)
・日本公開は2012年9月1日

上映時間:
・112分

あらすじ

パリに住む富豪のフィリップは、頸髄損傷で首から下の感覚が無く、車椅子での生活を送っていた。

気難しがり屋のフィリップには介護人が長く続かず、秘書のマガリーはフィリップと共に住み込みの新しい介護人を雇うための面接を行う。

富豪の介護人という職欲しさに殺到し、綺麗ごとを並べ立てる人々。

そんな中、失業保険の給付期間を延長するために、不合格証明書類にサインが欲しいというドリスが現れる。

介護や看護の資格も経験もないドリスだったが、フィリップは周囲の反対を押し切って雇用することにした。

ドリスの仕事ぶりはやや雑で危なっかしいところがあったが、自分を一人の人間として対等に扱ってくれる彼にフィリップは次第に心を開いていく。

 

仮採用期間を終え、無事本採用が決まり、改めてフィリップからその身の上話を聞くドリス。

ある日フィリップにお互いに顔も声も知らない文通相手がいることを知ったドリスは、文通相手に勝手に電話してしまう。

仕方なく電話に出たフィリップは相手の女性と後日外で会う約束をするが…。

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レビュー

感想

原作タイトルが"Intouchables"っていうのがいいね。

フランス語で「触ることのできない」という意味で、介護、格差、差別などの気軽には取り扱えない(アンタッチャブルな)テーマをコメディータッチで表現した作品だった。

人間として対等であること(平等ではない)が上手くメッセージとして織り込まれていてとても好ましい。

「障碍者」と言われる方、もしくはそういった方が身近にいる人ほど共感できるんじゃないだろうか。

「特別扱い」っていい意味でも悪い意味でも「特別」で、受ける側からすると窮屈に感じることもある。

自分が「強者である/この人より優れている」と考えてしまうのは大いなる慢心であり、良かれと思ってやった行為が大きなお世話だったりするものだ。

ドリスのフィリップに対する接し方は不躾で、かなり適当に見えてしまうんだけど、決して腫れもの扱いしない。

「介護人」じゃなくて「友達」になれているんだよね。

そんなの友達だから普通でしょ、のレベルに達している。

物語の展開上、二人の信頼関係が育まれていく小さなエピソードが積み重ねられる作りになっている本作。

ドリスが適当に描いた絵をフィリップがオークションにかけて高額で落札されるというエピソードが特に印象的だった。

物語の大筋には関係しないが、絶対に外せないシーンだと思う。

「どうせ皆わかりゃしないんだ」というフィリップの諦念が上手く描かれていた。

表層をなぞるだけでなく、内面を見つめる重要性を教えてくれる映画だ。

もっと作品を楽しむために

本作は実話をベースとしており、Philippe Pozzo di Borgo(フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴ)が、その介護人Abdel Yasmin Sellou(アブデル・ヤスミン・セロー)との生活を描いた自伝"Le Second Souffle"(「第二の呼吸」の意)を出版したことから注目されたようだ。

※今回の記事タイトルは「どこに行く?——少し呼吸しに。」という意味。

この映画の大ヒットを受けて、他国でのリメイクも多い。

音楽ジャンルで紹介した"Champs-Élysées"の記事もそうだったけど、リメイク版を見比べると国民性が垣間見えて面白いよね。

 

まずはアルゼンチン版から。

アルゼンチン版タイトルは"Inseparables"。

スペイン語で「切り離せない」という意味。

原作よりも二人の絆にフォーカスしたアレンジになっているのかな。

動画出典:Trailers y Estrenos

 

同じく2016年公開のインド版。

公開タイミングはアルゼンチン版より5か月ほど早いが。

タイトルは"Oopiri"。

下の動画再生前のキャプチャに書いてある"ఊపిరి"という飾り文字が気になって調べたら、タイトルのテルグ語表記だった。

日本語にすると「上」という意味らしい。

「テルグ語」ってなんだ、インドだからヒンドゥー語じゃないのかと思って寄り道してみたところ、「憲法第8附則指定言語」という文化的発展が望まれるとインド政府が設定した言語があって、アッサム語、ベンガル語、ボド語、ドーグリー語、グジャラート語、ヒンディー語、カンナダ語、カシミール語、コーンカニー語、マイティリー語、マラヤーラム語、マニプル語(メイテイ語)、マラーティー語、ネパール語、オリヤー語、パンジャーブ語、サンスクリット語、サンタル語、シンド語、タミル語、テルグ語、ウルドゥー語の22語あるらしい。

方言に至っては2,000以上あるそうで、これらを一つにまとめたヒンドゥー語の偉大さを感じる。

脱線した。

インド映画だけあってやはり陽気。

バイク乗って大丈夫なのか、フィリップ(インド版ではVikramadhitya)。

ちなみにVikramadhitya(ヴィクラマーディティヤ)は紀元前58年のインドの伝説的な王らしい。

インド映画は王様シリーズ大好きだからなぁ。

調べると止まらなくなりそうなのでこの辺で。

動画出典:Times Music South

 

最後にアメリカ版。

タイトルは"The Upside"、タイトルだけ見るとインド寄りだね。

意味合いは「いい面」「利点」とかなのかなぁ、「上昇」「上流」とかだとなんか違う気もするけど。

本記事執筆の1日前、2019年1月11日に公開。

フィリップ役にBryan Cranston(ブライアン・クランストン)、デル(原作ではドリス)役にKevin Hart(ケヴィン・ハート)、イヴォンヌ役にNicole Mary Kidman(ニコール・キッドマン)を迎え、Neil Burger(ニール・バーガー)監督でリメイクされた。

動画出典:STX Entertainment

 

各国見てきたけれど、日本語タイトル『最強のふたり』はどれにも属さないのもまた興味深い。

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