【マンガ】服部昇太『邦キチ!映子さん』
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作品紹介

JACK
僕は邦キチに出会ってからB級映画の正しい楽しみ方を知りました。

作品情報

邦キチ!映子さん

作者:
・服部昇大

連載サイト:
・スピネル

連載期間:
・2017年~連載中

既刊:
・3巻

あらすじ

映画の話を誰かと語り合いたくてたまらない小谷洋一は「映画について語る若人の部」の部長を務めていた。

彼以外に部員がいない部であったが、ある日1年生の邦吉映子が部員勧誘のチラシを手に部室を訪れる。

同志の登場に浮足立つ小谷は映子の好きな映画を当てて見せようと意気込むが、想像だにしなかった返答に絶句してしまう。

映子はクセの強い邦画マニアであったのだ。

映子の偏愛プレゼンにすっかりまいってしまった小谷は映子を「邦キチ」と称し、映画愛を語り満足した映子は入部を決めた。

レビュー

感想

本作はB級邦画を主人公が圧倒的熱量でプレゼンテーションしてくれるという超ニッチなマンガ。

(2巻以降は登場人物も増え、邦画以外も増えてくる)

取り扱うテーマが既に強烈にエッジが効いているのに、それに邦キチの偏愛が上乗せされて、もはやそのプレゼンは尖りすぎて暴力的ですらある。

それでいながらネタのチョイスや着眼点が最高なので、観る気は起きないんだけどどうしようもなく興味が湧いてしまうという矛盾した読後感を楽しめる。

一方で「あぁ、あの映画ね、観た観た。」と観てもいない映画を観た気にさせる(そして何ならその映画について話せる)という効果もあるので、最近映画館に行けていない忙しい人にもオススメだ。

WEB連載元のスピネルでも数話無料公開しているので移動時間にサクッと読んでみてほしい。

第1話では『実写版 魔女の宅急便』を取り扱っているんだけれど、その時の紹介がこれ。

キキにイラついたトンボが「魔法魔法言うな!!」と叫びながらキキを張り倒すシーンが特に好きで…!

服部昇太『邦キチ!映子さん』第1巻

クライマックスでは同時に豪雨の中で小さいマツコ・デラックスみたいな方がR&Bを熱唱していまして…!!

服部昇太『邦キチ!映子さん』第1巻

JACK
あれ…僕の知ってる『魔女の宅急便』と違う…

 

動画出典:maidigitv

 

ちなみに映画版はこれね。

監督の清水崇は邦キチ!スタメンなので覚えておくように。

 

基本的にディスっている風なんだけど、紹介する本人はいたって真面目でしかもそれを愛しているという設定なので毒や嫌味を感じない。

また、プレゼンの合間に差し込まれる部長・小谷のツッコミが非常に的確で(読者の気持ちを見事に反映していると思う)、テンポもいいのであっという間に読み終わる。

読み進めていくと「またこの監督か」「この俳優は何でもやるのか」「えっ、あの監督こんなのも作ってるの!」という気付きもあったりして意外と勉強になったりもする。

服部昇大のtwitterアカウント(@hattorixxx)からもマンガが公開されているので映画ファンを自称する全ての人に読んでもらいたい。

僕はマンガ原作を何でもかんでも実写化してしまう風潮には疑問を抱いている派なんだけど、「映画ってこういう楽しみ方もあるんだなぁ」と教えてくれるいいマンガだった。

もっと作品を楽しむために

筆者の服部昇大は1970~80年代の少女マンガ風の絵柄に不条理なギャグを組み合わせた作風が特徴的。

『日ペンの美子ちゃん』(日本ペン習字研究会の広告マンガ)のパロディマンガ『日ポン語ラップの美ー子ちゃん』をウェブや同人誌で発表しており、公式に2017年より6代目作画担当として採用されるなど、絵柄や雰囲気は折り紙付き。

「美ー子ちゃん」は日本語ラップをツッコミを交えながら愛情たっぷりに解説する「邦キチ」同様の展開なので、興味のある方はこちらも是非。

構成が『日ペンの美子ちゃん』まんまの9コママンガなので非常に展開が早く、「邦キチ」以上に振り回される感が強い。

筆者が長年の日本語ラップファンなので、内容もかなり深め。

僕はこのジャンル全くの初心者なんだけど、どこで使えばいいのかさっぱりわからない知識がついてしまった。

"イルでドープな"世界観に浸かりたい人にオススメ。

日ポン語ラップの美ー子ちゃん (このマンガがすごい!comics) [ 服部昇大 ]
created by Rinker

 

話は変わるけど、「イタコ漫画家」という言葉があるらしい。

既に亡くなってしまった有名漫画家が憑依したかのように本物さながらの画風でマンガを描く人のことを言うようだ。

手塚治虫の絵柄で下ネタギャグを展開する田中圭一(@keiichisennsei

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち [ 田中 圭一 ]
created by Rinker

クオリティが評価され、手塚プロダクション公式の作画ブレーンにまでなったつのがい(@sunxoxome

水木しげるのタッチで文学作品を紹介するドリヤス工場(@driyasfabrik

などなど、作品が書籍化した人物もちらほら。

本家ファンからするとやっぱり賛否両論あるみたいだけれど、こんなにそっくりに描く人が現れるほど広く深く愛されているってことだよね。

JACK
イタコ漫画家ウォッチしてるとオリジナル漫画家さんのご子孫との掛け合いがあったりして結構楽しい。
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