作品紹介
動画出典:CapcomChannel
作品情報
大神
開発元:
・クローバースタジオ
ディレクター:
・神谷英樹
パブリッシャー:
・CAPCOM
対応機種:
・PlayStation 2
・Wii
(以下HDリマスター版『大神 絶景版』対応機種)
・PlayStation 3
・PlayStation 4
・Xbox One
・Microsoft Windows(Steam)
・Nintendo Switch
発売日:
・2006年4月20日
・2012年11月1日(『大神 絶景版』/PS3)
あらすじ
むかしむかし、神話の時代。
突如星の海から飛来し、天神族が住むタカマガハラを襲ったヤマタノオロチは天界でアマテラスの迎撃を受け、下界のナカツクニに零落する。
その後は神木村近くに拠を定め、満月の晩の神木祭りの度に生贄を召し捕り、百人の生贄を喰らう事で常世の国の神になることを目論んだ。
生贄もいよいよ百人目になろうという晩、ヤマタノオロチは「予言の子」イザナギと彼の出現を待ちわびていた狼・白野威(しらぬい)によって討ち取られ、宝剣「月呼(つくよみ)」を礎として封印される。
イザナギと白野威による封印から百年後。
英雄の子孫でありながらも実力の伴わない自分に劣等感を抱いていたスサノオは、ヤマタノオロチの声に唆され月呼の封印を解いてしまう。
復活を遂げたヤマタノオロチにより、ナカツクニ中に「タタリ場」が展開され、常世は混乱の一途を辿るが、神木村だけは唯一無事だった。
村の神木「コノハナ」の精・サクヤ姫の力によって白野威像に宿り復活したアマテラスは、ナカツクニの安寧を取り戻すために絵師のイッスンと共に旅に出る。
レビュー
感想
何の前情報もないまま初めてプレイした時、「あー、これは家族で安心して楽しめるほっこり癒し系のやつだなぁ」と思っていたのさ。
日本の神話をベースにしてアイヌ神話やら民話やら昔話やら混ぜ合わせた感じね、面白いじゃん。
水墨画風のタッチがいいねぇ、音楽もいいねぇ。
あっ、動物たちが懐いてる、かわいい!
なんてのんびりプレイしてたんだけど。
エンディングで泣いた。
シナリオが優れているのは言わずもがなだけど、多分音楽の力が凄いんだろうな。
日本人として馴染み深い音色に強く鼓舞されて、ラスボス戦は絶対に負ける気がしない無敵な気分を味わえる。
まさに"神"ゲーだった。
キャラクター造形や絵柄、音楽の徹底された美学については冒頭のトレーラーで何となくイメージできると思うので省略するが、世界観がもう完全に僕好み。
アマテラスは物語を進める中で13体(十二支+猫)の動物に出会って「筆しらべ」と呼ばれる15パターンの特殊能力を身に着けるんだけれど、もうなんかこういうのも王道でいいよね。
「筆しらべ」を使うとき、時間が止まって画面全体を覆う透過した巻物の上に筆で模様を描くんだけど、このインタラクティブな演出も素敵。
わかりやすいのがいいのよ、わかりやすいのが。
ストーリーのメインはもちろんアマテラスの活躍なんだけど、サブを支えるスサノオがダメ男から英雄に大きく成長していくのも見どころ。
『デビルメイクライ』の「レッツ ロック ベイビィ!」や、『ビューティフルジョー』の「レッツ ゴー フォア イット!」など、ディレクターの神谷英樹が手掛けた過去作品パロディ発言をするキャラクターもいたりして、神谷作品ファンにも嬉しい。
もっと作品を楽しむために
本作の主な登場人物について予備知識があるとより深く楽しめるだろう。
というわけで、日本神話に登場する主要メンバーを紹介。
アマテラス
天照大御神(あまてらすおおみかみ)。
日本を作ったとされるイザナギとイザナミの子供。
物語の序盤でヤマタノオロチを迎撃したあと、お父さんのイザナギと白野威が封印してたね。
ちなみに、アマテラスはイザナミの左目を洗った時に産まれたんだけれど、右目を洗った時に産まれたのが弟のツクヨミ。
ツクヨミ(月読命)は漢字が違うけど、作中に封印の剣として登場している。
現代では三重県伊勢市にある伊勢神宮内宮で祀られているのが特に有名。
太陽神や巫女の性格を持つとされ、女神と解釈されている。
作中のアマテラスも筆しらべの神々に「慈母」と呼ばれたり、イッスンが呼ぶ「アマ公」も英語版では"Ammy"って女性の愛称になっているので、やはりメスだろう。
神々の住む天界タカマガハラ(高天原)を治める主神。
タカマガハラも作中に出たね。
ちなみにナカツクニは「葦原の中つ国」と書いて日本の事を指している。
スサノオ
建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)。
実はアマテラスの弟。
イザナミの鼻から産まれた。
神話ではスサノオは、生贄に捧げられる予定だったクシナダヒメを櫛に変えて髪に挿し、ヤマタノオロチを退治するのだけれど、この大筋は変わっていなかった。
神話のスサノオもゲーム同様ダメな感じの男なんだけど、上手く現代風にアレンジしているのが面白い。
(神話では狂暴だったり泣きわめいたり手がつけられない系だが、ゲームではぐうたらで嘘つきなダメ男になっている)
サクヤ
木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)。
現代では富士山を御神体としている富士山本宮浅間大社で祀られているのが特に有名。
アマテラスの孫のニニギノミコトに求婚される美しい女神。
その名は「桜」の語源ともされていて、作中の神木「コノハナ」の外見が桜なのも納得。
こんなもんかな?
イッスンは「一寸法師」だし、ウシワカは「牛若丸(源義経)」。
ヤマタノオロチは有名だし。
あとは白野威かな。
これだけ元ネタがよくわからないんだけれど、たぶん「不知火」だろうなぁ。
急にレベル下がった感はあるが。
補足
ちなみに続編として『大神伝~小さき太陽』という作品がDS用ソフトで出ている。
しかし前作を制作したクローバースタジオは解散、神谷英樹も関わっておらず、前作の設定やストーリー展開を無視したあまりに粗末なシナリオとのレビューが多い。
僕の場合、ディレクターが違う続編は基本的にやらないスタンスなので未プレイ。
プロモーショントレイラーを見る限りグラフィックはいい感じなんだけどなぁ。
動画出典:CapcomChannel